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【ライター浅野のインプレブログ】[インターバルコラム] オージーケーカブト・ヘルメットの系譜<その3>「ソフトシェルからインモールドの時代へ」

カテゴリー:Bicycle

[ インターバルコラム]

オージーケーカブト・ヘルメットの系譜<その3>

ソフトシェルからインモールド成型の時代へ

 



 競技用や子ども向けのヘルメットを展開するKabuto、生涯スポーツとして自転車をとらえ町乗り向けのアイテムを展開するKOOFUという2つのブランドを擁るオージーケーカブト。
サイクル用・オートバイ用のヘルメットメーカーとして30年以上の歴史を誇りますが、ここに至るまでにはさまざまなモデルが発売され、一つひとつのヘルメットがサイクルヘルメット歴史を作ってきました。

インプレブログ番外編としてお届けしているオージーケーカブトのサイクル用ヘルメットの系譜。
インターバルコラム<その1>「世代別の進歩」でヘルメットの進化を四世代に分けて説明しました。今回はサイクル用ヘルメットの歴史を大きく変えることになった第二世代、ソフトシェルの採用とインモールド成型の生産方法で飛躍的に軽く強くなったお話、モデルでいうと「W-1R」と「REAQTOR(リアクター)」を紹介します。


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ソフトシェルヘルメットについて
wr1r.jpg
1996年に発売されたW-1Rに代表される当時のヘルメットは、それ以前(第一世代)のハードシェルタイプとは全く違う新しい作り方を採用しています。
それはマイクロシェル製法と呼ばれる方法です。

マイクロシェル製法とは、樹脂板に熱を加えながら成型した極薄のシェルに、また別の金型で成型したEPS(エキスパンデッドポリスチレン)製の発泡ライナーに接着することで帽体を作る方法。
これにより、現在のスポーツサイクルシーンで使われるソフトシェルタイプのヘルメットが登場したのです。


ここで少しおさらいすると、サイクル用ヘルメットにはソフトシェルタイプとハードシェルタイプがあります。

ソフトシェルタイプはポリカーボネート製の薄板シェルと発泡ライナーを組み合わせたもので、現在のスポーツタイプヘルメットの主流となっています。
これに対し、ハードシェルタイプとは、いわゆるプラスチックでできた硬いシェルを持つヘルメットのこと。インターバルコラム<その2>で紹介したKabuto黎明期の代表作「CH202」や、もちろん現在でもフリーライド系ヘルメットやチャイルドメットシリーズの一部には採用され続けているものです。
 


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ソフトシェルの採用で軽量化と安全性を両立
 

ソフトシェルを採用することでもたらされた最大のメリットは、大幅な軽量化でした。
ハードシェルタイプのヘルメットは、安全性が非常に高いものの重量は重く、以前紹介したCH202の重量は、410g(カタログ値)もありました。
これは現在のハイエンドモデルのほぼ倍の重量です。

ソフトシェルを採用したW-1Rの重量はおよそ300gと、CH202に比べてかなり軽くなっています。

もちろん、ただ軽いだけで安全性が犠牲になったのでは意味がありません。
社内での実験を繰り返し、厳しい安全基準をクリアする高い安全性能も両立していたのは言うまでもありません。

また、W-1R以前に発売されていたSH-6000やSH-7000では、それまでトラック競技だけに使われていた涙滴(るいてき=涙のしずく)形状をロードにも採用しようという動きがでてきました。つまりソフトシェル採用による軽量化と、空力的に優れた性能を発揮するエアロ形状を両立させたW-1Rの登場は、当時のスポーツサイクル界に大きな衝撃を与えたのです。
 

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ソフトシェルからの、インモールド製法の誕生

 

また、Kabutoはマイクロシェル製法からさらなる技術的なチャレンジとして、シェルと発泡ライナーを一体成形により密着させるというアイデアを発案。これにより、薄いシェルでもハードシェル並みの衝撃分散効果を実現する"インモールド成型"が実現されました。

インモールド成型とは、マイクロシェル製法で成型したポリカーボネートシェルを、発泡ライナーの金型に直接貼り付け、シェルに直接EPSを流し込む、というものです。

inmold.jpg


シェルとライナーが直接、強固に密着することにより、剥がれにくさが加わって、より強度が増したのです。このインモールド製法を世界に先駆けて採用したモデルがREAQTORとして発売されました。

reaqter.jpg
この第二世代の大きな技術進化が、さらなる軽量化の実現、そして大ヒット作「MOSTRO」へと繋がっていくことになるのです。

つまりREAQTORは、現在、全世界で発売されているサイクルヘルメットの主流となる成型方法を最初に具現化した、エポックメイキングな存在でした。

W-1R、REAQTOR、これらのモデルもまた、進化を続けながらさらなる高みを目指すため、常に改善を繰り返してきたKabutoというブランドを象徴するモデルのひとつと言えるでしょう。


(浅野真則)




[ インターバルコラム]
オージーケーカブト・ヘルメットの系譜<その1>「世代別の進歩」
http://www.ogkkabuto.co.jp/blog/media/2015/04/28/post.html

オージーケーカブト・ヘルメットの系譜<その2>「スポーツサイクルヘルメット黎明期の代表作・CH202」
http://www.ogkkabuto.co.jp/blog/media/2015/06/02/post_1.html

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